医療法人永世会は佐賀県で患者様にやさしい、開かれた生殖医療をご提供いたします。

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長崎県生殖医学セミナー
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長崎県生殖医学セミナー

1月のことになりますが、長崎県生殖医学セミナーに参加してきました。

私の恩師である、山口大学産婦人科の杉野法広教授が長崎で講演されることになり、長崎大学の三浦清徳教授から声をかけて頂きました。会場は出島メッセ長崎でした。新幹線ができて長崎がほんとに近くなりました。武雄から長崎までは20数分で、駅からすぐのすばらしい立地です。

まず、長崎大学の原田亜由美先生が経腹的な子宮頸管縫縮術について講演されました。通常、子宮頸管縫縮術は子宮頸管無力症の方に行われる手術であり、経腟的に行われます。しかしながら、子宮頸がん検診に異常があり、その診断および治療として子宮頸部円錐切除術を受けられた方の中で、子宮頸部が非常に短くなる場合があります。その場合、経腟的に子宮頸管縫縮術を行うことが非常に困難になるので、経腹的つまりお腹の中から子宮頸部を縫縮します。私が長崎大学病院にいた頃は開腹手術で行われていましいた。しかし、今では腹腔鏡手術で行われており、妊娠中の患者さんの負担軽減につながっています。特殊な手術であり、全国的にみてもどこの病院でも行われているわけではありません。当院からも佐賀県の方をおひとり紹介させて頂きました。

続きまして、杉野教授の講演は、AIを用いた産婦人科診療についてでした。

子宮筋腫の方のMRI画像とAIを組み合わせ得ることで、子宮筋腫のタイプ(組織型)を推定することができるそうです。

また、生殖医療分野では、受精卵を培養するために用いるタイムラプスインキュベーターにAIを組み合わせることで、正常受精卵を予測することを目指しているそうです。当院が先進医療として導入しているタイムラプスインキューベーターもAIを搭載していて、従来のガードナー分類に加えて、AIによる「iDAスコア」による評価を行っています。これは、胎児心拍予測モデルなのですが、どの項目をどういうふうに評価しているかは公表されておらず、ブラックボックスです。

他には、妊娠中に血圧が上昇する妊娠高血圧症候群のリスクを予測するAIモデルも開発されているとのことでした。

しっかりお勉強した後は、食事をご一緒させて頂きました。

水戸といえば

先月のことになりますが、2月11日に水戸で開催された日本がん・生殖医療学会に参加してきました。

当院は生殖医療、いわゆる不妊治療を専門とするクリニックですが、がん患者さんの生殖機能を温存する妊孕性温存も行っています。実際には、抗がん剤治療や放射線治療の前に未受精卵子凍結、胚(受精卵)凍結、精子凍結を行います。不妊治療とは異なり、急に連絡があり対応していくことになります。排卵誘発法もランダムスタートといって、月経開始からではなく月経周期のどこからでもランダムに排卵誘発を開始します。そして、約2週間後に採卵を行います。がん生殖医療の特に重要なポイントはカウンセリングです。がんと診断されて不安など気持ちの整理がつかない状況で、さらに妊孕性の低下する可能性があると告げられ、短い時間で妊孕性温存を希望するかを決断しなければなりません。がん診療施設と生殖医療施設との連携が非常に重要となり、その専門スタッフの育成が各施設で急務となっています。今後、妊孕性温存を行う施設認定の要件として、日本がん・生殖医学会が認定している「認定がん・生殖医療ナビゲーター」の資格認定者が勤務していることが必要になります。私はその資格を数年前に取得していますが、更新のためには定期的に講習を受ける必要があります。学会での講習の受講もその要件のひとつになります。

今回の収穫は大きくふたつありました。ひとつは、診療でなやましいと思うことは他の施設でも同様の事例があり、自分たちの施設だけではないと思えたことです。参考にできることもあり、このような専門的な学会に参加する意義を再確認できました。ふたつめは、弁護士の先生の講演でした。がん生殖医療だけではなく、不妊治療にもいえることですが、治療への同意についてです。診療の中で同意書を頂くことは多いのですが、なかには忙しさのあまりに同意書をとらずに問題となり、訴訟になったケースがあるそうです。1件は私もニュースで知っていたのですが、実は他にもう1件あったそうです。同意書へのサインは本人の直筆であることが重要であるため、今後当院では同意書を改定し、自著という記載を追加することにしました。

ちなみに、資格更新のための講習の単位申請のために必要なキーワードは、「水戸黄門」と「納豆」でした。

子宝草

以前、当院を卒業された患者さんから分けて頂いた子宝草。

当初は水の上の浮いて育てられていたので、水草かな?と思っていましたが、今ではだいぶ大きくなりました。

なんと、葉っぱから小さい葉がでてきて、それが下の土に落ちて、まだ育っていきます。すごく縁起が良い植物です。

よいものをみなさまと分かち合いたいと思い、スタッフが心をこめて育てています。

前回、待合で配布したときはすぐになくなってしまい、あまりの人気に驚きました。

次回の配布までいましばらくお待ち下さい。

佐賀市に子宮がん研修会に行ってきました

3月2日に佐賀市で開催された子宮がん研修会に参加してきました。土曜の午後からだったため、午前の外来が終わると急いで向かいました。

佐賀県では子宮がん検診を行う施設登録のための条件として、年に2回の子宮がんに関する講習会の受講が義務付けられています。このシステムは山口県にも長崎県にもなかったことであり、佐賀県は子宮がん検診に対して力をいれていることがうかがえます。しかしながら、佐賀県は子宮頸がんの75歳未満年齢調節別死亡率が全国ワースト2位という、よろしくない記録をもっています(2013年~2017年の平均)。

子宮頸がん検診は私が医師になったころとは大きく変化しています。当時は、綿棒やヘラで細胞を採取して、プレパラートに細胞を擦りつけていましたが、現在は専用のブラシで採取して、液体中に細胞を落とし、機械で均一に細胞を分布させて標本を作成するようになっています。また、佐賀県の広域子宮頸がん検診では子宮頸がんの原因であるHPVの有無を検査するHPV併用検診が行われています。将来的には、HPV単独検診に移行すると考えられています。

当院では初診のときに子宮頸がん検診の受診歴を確認しています。検診歴がない方は当院で子宮頸がん検診を行っています。定期的に検診を受けられている方は引き続きの検診を勧めています。もちろん、これまでに検診で要精密検査であった方は、かかりつけで引き続きフォローを受けて下さい。これから妊娠を目指していくためには、子宮頸がん検診に異常がないことを確認しておくことは非常に重要なことです。みなさま、子宮頸がん検診を定期的に受けましょう。

長崎市のHTLV-1講演会に行ってきました

2月23日の祝日、新幹線で長崎に講演会に行ってきました。

最近は新幹線ができたので、車より新幹線の方が早く、最速で23分と非常に便利になりました。しかし、ちょうど長崎はランタンフェスティバルが行われており、通路まで満員でした。

長崎県では毎年HTLV-1母子感染に関する講演会が開催されています。HTLV-1は母乳を介する母子感染が主な経路だとされています。特に長崎や佐賀では多い地域性があり、長崎県では長年研究が行われています。その最新の知見が学べるよい機会でした。母乳を介するので、母乳を与えずに完全に人工乳に切り替えるのが予防策なのですが、母子関係のことを考えると、3ヶ月間の短期授乳では感染のリスクが上がらないということでした。しかしながら、短期授乳での授乳の中止の仕方の指導が十分に行えていないケースがあることや、20から30%の方は短期授乳で終わることができていない現状があるそうです。HTLV-1はキャリアでは特に症状はありませんが、発症してATLやHAMとなると非常に予後が悪い疾患です。その最新の診断や治療法は日頃学ぶことがないので、非常に勉強になりました。また、以前とは違い、水平感染のケースもあるということでした。

当院で二人目を希望されて来院されるときは授乳を完全に止めていて、乳汁分泌がなく月経が再開していることが条件なのですが、そのときに「HTLV-1が陽性だったので、授乳はしませんでした。」というケースが実際にあり、身近な話だと感じています。

講演会のあとは、長崎にいたときの馴染みのお店をまわってきました。

浜口町の「さくらい」は私のお気に入りです。生からすみも美味しかったです。

最後はランタンフェスティバスを満喫して帰路につきました。

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▲… 水曜午後は手術、検査
(子宮卵管造影、子宮鏡)