佐世保産婦人科医会の講演会に行ってきました

2024.05.02

しばらく前のことになりますが、明日からGWで少し時間ができたのでブログを更新したいと思います。

2月に佐世保市医師会館で小樽市立病院の金内優典先生をお招きして講演会が開催されました。金内先生は私が山口大学から長崎大学へ移動した半年後ぐらいに北海道大学から長崎に赴任され、数年間ご一緒に働かせて頂きました。ご専門は婦人科腫瘍で、私が婦人科病棟医長をしていたときに、治療方針に悩む症例を多く相談させて頂き、非常にお世話になりました。

講演のお題は「ガイドライン世代」についてでした。私が医師になった20数年前ぐらい前は、日常診療に対してのガイドラインはなかったと思います。しかし、現在では、学会などから各種のガイドラインが発刊されており、それが数年毎にアップデートされていきます。今ではガイドラインの推奨グレードの高い医療は必ず行い、推奨グレードの低い医療は症例や状況、施設の規模や設備等に応じて行われているのが主流のようです。一見すると、そのガイドラインを熟読して、その通りにやっていればよさそうですが、実際の医療現場ではそうはいきません。医師には適切な判断能力や最新の医療知識が求められます。

生殖医療においては、不妊治療の保険適応を前にした2021年11月に日本生殖医療学会から生殖医療ガイドラインが発刊されました。現在の生殖医療の現場では、このガイドラインに基づいて診療が行われています。しかしながら、中には海外の状況と比べると異なっており、日本特有の事情がみえる事柄もあります。不妊治療が保険適応となり、2年が立ちました。保険医療を中心とした医療を行い、その中で結果がでるように最善をつくしていますが、これができたらいいのにということがいくつかあります。保険医療は2年ごとに見直しが行われるので、2024年6月からの変更で解決されることもあります。各施設で考え方が異なるため、同じガイドラインに沿って保険診療を行っても、やり方はそれぞれで行われているのが現状であり、標準化というのは難しいようです。

まとまりのない話となりましたが、ガイドラインについて向き合うよい機会となりました。