お知らせ
2020.06.09
以前にもブログでお知らせしていましたが、この度2020年5月に日本産科婦人科学会に申請していた「医学的適応による未受精卵子、胚の凍結・保存に関する登録」が受理されました。
がん患者さんが、抗がん剤治療(化学療法)や放射線治療を受けると、卵子に対して影響を受けることがあり、その後の妊娠する力(妊孕性)が低下することがあります。そのため、治療前に未婚の方は卵子を、既婚の方は胚(受精卵)を凍結しておくことが選択肢としてあります。
対象は主に乳がん、血液がんなどになります。
患者さん自身、疾患の主治医、生殖医療専門医が連携をとることが必要であり、その他に患者さんの気持ちをサポートするカウンセリング担当者等も重要となります。
当院は佐賀県で初の認定施設になります。
http://www.jsog.or.jp/facility_program/search_result_facility.php
佐賀県では、2020年から「さが・がんと生殖医療のネットワーク」を立ち上げました。各診療科の主治医と生殖医療専門医が連携をとることができることを目的としています。
また、佐賀県では健康増進課 がん撲滅特別対策室の方が積極的に活動して頂き、がん患者の妊孕性温存治療に対する助成事業が開始されました。助成を受けるには認定施設であることが条件となっています。
本日、ニュースでも助成事業の開始が伝えられていました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20200609/5080005925.html
私は前任地である長崎大学病院でも医学的適応による未受精卵子凍結と胚凍結を担当していましたので、その経験を活かして、佐賀県でのがん生殖医療の普及に尽力していきたいと思います。