AGEってご存知ですか?
2024.01.16
「先生、ほかに何かできることはないですか?」
診察の合間でときどき受ける質問です。
当院では、初診のときに生活習慣の気をつけるポイントを説明しています。また、スクリーニング検査でプレコンセプションケアに関する項目をチェックして結果に応じて対応をしています。理想を言えば、食事も関係していますが、何でもかんでも制限がついてしまうと、余計にストレスがたまって良くないのではと私は考えているので、それ以上のことはあまり言ってはいません。
昨年のことになるのですが、9月に生殖バイオロジー東京シンポジウムに参加しました。場所は恒例の東京ガーデンテラス・紀尾井カンファレンスです。朝会場に向かうときの1枚です。
その中で、「生殖医療から考えるAGEを標的としたアンチエイジング」という講演がありました。演者は昭和大学の山岸昌一教授です。AGE(エージーイー)とは「終末糖化産物」のことです。AGEが蓄積すると老化の原因となり、さまざまな病気の原因となります。そのため、食事由来のAGEを減らすことによって健康を保ちましょうというお話でした。私達は、食事というとカロリー制限とまず考えることが多いと思いますが、AGE制限食という考え方はおもしろいと思いました。食品によって含まれるAGE値が異なりますが、その調理法によってもAGE値が変化するそうです。生、煮る、焼く(油なし)、揚げる、焼く(油あり)の順にAGE値は上昇します。
帰宅後にさっそくネットで講演で紹介されていた「数字でわかる老けない食事 AGEデータブック」を購入しました。食品が194品目例示されていて非常にわかりやすく説明されていました。こういった、食材選びや調理法の選択が面白いと共感できる方は、試されてみてはいかがでしょうか。